2014年4月12日土曜日

砂の星で

小学生の時、先生に教えてもらって読み始めた、星新一。

短編ということもあり、子供にも取っ付きやすく
あっという間に不条理とユーモアを兼ね備えた
異世界に惹き込まれて行きました。
(当時は「世にも奇妙な物語」が毎週レギュラー番組として放映、
その原作としても使われていました。)

何かの折にふと読み返すのですが、
今でもとても新鮮に感じられて、オチは分かっていても
今日初めて読んだみたいな読後感。

何だろうこの面白さは。。

僕は文庫『ようこそ地球さん』に収録されている
「処刑」という話が好きで、
砂の惑星に送り込まれた罪人の男が銀の玉(ボタンを押す事で生き長らえるための
水が出るが、処刑される爆弾としても機能)を携えて、いつ来るかは分からない
最期の時を待つ。

男は自分を処刑する道具としての銀の玉を憎んでいたが、
自分の心の変化と共に愛情にも近い感情を抱き始める。

という淡々とした話なのですが、これは良いですよ。

最終的に悟りを開いた男の行動から
他の星作品に見られるような文明批判的なメッセージも汲み取れるけど、
自分にとってそこはどうでも良くて、砂のゴーストタウンを彷徨う男と
擬人化(女性)された銀の玉とのやり取りにぐっと来るのです。

理由は無いけど、自分が好きな世界観なんだろうなあと。

オススメです。


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